貧困生活~46歳、競馬で幸せを掴む男~

貧困生活の中でも、何か楽しみがなければ生きていけません。なので、競馬で稼いで幸せを掴もうと思います。自分で言うのもなんですが、結構当たりますよ!

幸せのはずだった結婚生活

18歳で結婚

親父が死んでから、必死に家族総出で働き、なんとか食べていける程度にはなった。
仕事にも慣れ、中卒の俺が正社員として働けたのは、奇跡と言ってもいいかもしれない。

そんな時、偶然出会った同級生と付き合うようになり、やがて結婚。
18歳の時だった。
その一年後には娘も出来、「俺もこれから幸せを掴むんだ!親父のようにはなるもんか!」そう心に誓った。

ところが、娘が3歳になった時、妻の親から一緒に店をやらないか?との話が出る。
正直、妻の親とはあまりうまくいってなかったので、断るつもりだったのだが、妻はどうしてもやって欲しいときかない。
やっと掴んだ正社員の仕事。
それを捨ててまで、妻の親の小さな店を手伝う道を選ぶのか?
俺は悩んだ。
正社員としての安定か、妻との生活か···
妻は、親の店をやらないなら離婚も考えているようだった。
そうなると、もう答えは一つしかない。
娘の事を思うと、そうなってしまう。
俺は、泣く泣く正社員としての生活を捨てた。
家族が幸せになるために···
しかし、この決断が間違いだったことを後で知ることになる。

実家の店を手伝い始めて一年がすぎた頃、自分がおかしくなっているのに気付いた。
もともと、向こうの両親とはうまくいってなかったのに、両親と同居し両親の店を手伝うという生活を続けざるを得なかった。
そのストレスからか、毎日やる気が起きず、妻や娘との会話もなくなり、ただ廃人のように日々の生活を送っていた。
そして、ある日、気が狂ったように泣きだし、暴れまくった。
妻も手がつけられないほどに。
もう限界だった。
そんな俺を見て、妻も納得してくれたのか、やっと実家を離れる事ができた。

新しく家を借り、仕事を探す。
精神的には楽になったが、中卒の俺にはろくな仕事がない。
選択肢の少ないなか選んだ仕事はトラックドライバー。
これしかなかった。
家族のため、慣れない仕事も必死に頑張った。
金のために全国を走りまわる。
休みなんか月に2、3日。
毎日家に帰れる事なんかなかった。
いまでは考えられないけど、昔はそれが当たり前。
小さい個人の運送屋では、ドライバーは人間としては扱われなかった。
でも、家族の為だ!
そう自分に言い聞かせ、必死に働いた。

そういう生活が3年続いた時だった。
久しぶりに家に帰ると、そこには誰もいない。
テーブルの上には、片方が書かれた離婚届。
妻は何も言わず、娘を連れて家を出ていた。
久しぶりの休み。
家族と楽しく過ごせる。
そう思って帰ると、このありさま。
俺は離婚届を前に呆然と立ち尽くした。

その後、妻と話をしたが家に帰ってこない俺を寂しく待ってるのが辛くなり、家を出たのだという。
やり直そうと言っても、妻には別の男がいた。
もうやり直すのは無理だと···。

俺はなんの為に命を削ってまで働いていたんだ?
俺は何をやっていたんだ?
正社員という立場を捨ててまで家族の為に頑張ってきたのはなんだったんだ?

また裏切られた気持ちだった。
高校生の頃、身内に裏切られ、今度は妻に裏切られた。
もう、誰を信じていいのかわからなかった。
あの時、なんとしてでも正社員という立場を守るべきだったのか?
あの時の決断が間違いだったのか?
そんな事を考えても、もう遅かった。
俺はまた、全てを失ってしまった。

家族、愛する娘を失ってしまった。



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